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デザイナー荒川に聞く。『UKIHA』新色「Sage(セージ)」の誕生ストーリー

2024.05.31

デザイナー荒川に聞く。『UKIHA』新色「Sage(セージ)」の誕生ストーリー
デザイナー荒川に聞く。『UKIHA』新色「Sage(セージ)」の誕生ストーリー

ーー最初に、YARN HOMEの主力シリーズである『UKIHA』について教えてください。どんな想いを持って生まれたシリーズですか?

『UKIHA』シリーズは、福岡県うきは市で作られている『pasima®️』という生地を使っています。もともと父が寝具メーカーを営んでいて、父と、『pasima®️』を開発する龍宮さんとのお付き合いがありました。私にとって身近な存在だった『pasima®️』。YARN HOMEの立ち上げのとき「この素晴らしいキルトでオリジナルの色を作らせてほしい」とお願いしたところからはじまりました。「わたしたち世代でもインテリアを楽しめるカラーで、だれかに贈りたくなる」そんなことを願って作りました。

ーー荒川さんが考える、『UKIHA』シリーズの魅力は何ですか?

『pasima®️』は医療用脱脂綿をガーゼで挟み、キルトをかけた生地です。赤ちゃんから大人まで誰でも安心して使うことができるので、多くの方におすすめしやすいところが魅力です。

わたしも昔、アトピー性皮膚炎で悩んでいた時期がありました。肌の悩みは、心身ともにさまざまな不調をもたらします。「誰でも安心して使えるように」ということに誠心誠意注いで作られている背景を知っているので、たくさんの方に知ってもらいたいと、YARN HOMEでも大切に伝えています。

ーー『UKIHA』シリーズは、YARN HOMEにとってどんな立ち位置ですか?

ご自身で使いたくなったり、誰かにあげたくなったりしてほしい、YARN HOMEにとって、シグネチャーシリーズですね。

最初に作ったアイテムが「キッチンふきん」なのですが、「ハギレを活用して作れたら」というところからはじまり、いまでは看板アイテムに。最初は、ふきんの商品帯を自分で印刷してカッターでカットして作ってました。思い入れが深いアイテムです。さらっと水分を吸って、すぐに乾いてくれて、触っていると肌が喜ぶのが分かる『pasima®️』という素材の魅力を実感してもらうのに手に取りやすいアイテムなので、まずは試していただきたいです。

そこから、タオルやブランケットなど、さまざまなアイテムも興味を持っていただけたら嬉しいです。『UKIHA』のカラーに合うように、それぞれのシリーズのベッドリネンもデザインしています。

ーー次に、新色「Sage(セージ)」についてお聞きします。新色を開発しようと思ったきっかけは何ですか?また、YARN HOME初のグリーン系ですが、そこに込めた想いを教えてください。

2023年から、全国のお店さんをまわるツアーを開催しています。「足を運んでいただき、YARN HOMEの商品を手に取り、触れてもらう場をつくりたい」という想いからはじめました。ツアーでは「新色」を携えていて、2024年のツアーに合わせて開発したのが、「Sage(セージ)」です。

 

最初に考えたのが、「今まで作ったことがない新鮮な色がいい」ということ。それから、『UKIHA』はニュアンスのあるやわらかい色が多かったので、「男性にも喜んでもらえるような、モダンさやカジュアルさのある使いやすい色をつくりたい」と考えました。

アクセントになるけれど、インテリアに馴染む。お家の中にあるいろんな色と合わせて、表情が変わる。そんな色を目指してグリーン系に決めました。

ーーグリーン系の中でも、なぜセージだったのでしょうか?

セージは、グリーン系に決めた最初の段階から頭の中にイメージとしてありました。というのも、セージはハーブとして使われていて、親しみやすい存在だったから。色のイメージからというよりは、「存在」としていいなと思ったんです。

それから、「香る色」ということも大切にしました。2023年の新色として発売した「Maple(メープル)」もその香りを想像することができますよね。私は出張など旅が多いのですが、家に帰ってきたら窓を開けて、ドライのセージを炊くんです。ふわっと香って、浄化作用がある。新色の「Sage(セージ)」も、そんな爽やかな香りを感じられる色になったと思います。

ーー「Sage(セージ)」の中で、お気に入りのアイテムは何ですか?

ピローケース」は、『UKIHA』のなかでも一番好きなアイテムです。「Maple(メープル)」では作ってなかったのですが要望のお声も多く、「Sage(セージ)」では作りました。毎晩眠るときに1日の疲れを包み込んでくれるように、ガーゼの優しさを感じることができます。

また、「クッションケースも「気になっている」というお声をいただくのですが、ソファに飾っても良いですし、ベッドに足しても良いです。抱き枕のように眠ると落ち着きます

ーー荒川さんは、「Sage(セージ)」をどんな風に使っていますか?

いつも最初に使うのはハンカチハーフ」ですね。お出かけバッグに入れるとき、手を洗って使うとき、ご機嫌になれます。ハーフサイズはポケットにも収まりやすいので、パンツのポケットに入れることもあります。また、旅先だとアクセサリートレイの代わりに使用したり、見つかりやすいようにリップやメガネを置いたりもしています。

家で食事するときはおしぼりの代わりにもなるし、夏場は冷やしておくと気持ちいいです。ひとつのアイテムでいろんな使い方ができるので、いろんな色何枚あっても役立ちます。

久しぶりに会う友達には、手土産の焼き菓子を渡す感覚で贈ったりしています。

ーー「Sage(セージ)」とYARN HOMEのカラーは、どんな風にコーディネートしたらよいですか?

「Sage(セージ)」にはメンズライクな雰囲気をまとった新鮮さがあり、『BINGO』シリーズとの相性にぐっときています。「Indigo(インディゴ)」も、「Sky(スカイ)」も、どちらとも相性が良いので試していただきたいです。

それから、「Drizzle(ドリズル)」や「Calm(カーム)」などの淡いカラーと合わせると、癒されるような感覚があるので、『FUSHIMI』や『FUSHIMI Organic』のベッドリネンと組み合わせるのもおすすめです。

ーー最後に。商品づくりをおこなうとき、インスピレーションやアイデアはどこから来るのでしょうか?

まずは自分が欲しいと思えるかどうかが大きいです。すでにほかの場所で買えるようなものはYARN HOMEで作っても意味がないので、「こんなものがあったらいいな」が、ものづくりの一番のアイデアです。

ベッドリネンはまだ洋服のように生地にこだわったり自分のセルフケアとして考えてもらうことが少ないのですが、睡眠は心身の健康に欠かせないと思っています。「眠ることが楽しみになる」ということは「明日への活力」になるはずです。そういう気持ちでこれから暮らしに取り入れてもらえたら本望です。