Another YARN HOMEについて
2023.09.26
2021年に新たにスタートした、【Another YARN HOME】という取り組み。
ものに溢れ、消費のスピードが早い現代でものづくりを続けるなか、「このままでいいのだろうか」というしこりがずっとどこかにありました。大きなことはできないけれど、作るからには責任を持って資源を大切にしようと目の前にある課題から取り組むことにしました。
その想いには、一緒にものづくりをしてくれている生産現場の声にも影響を受けています。
「このハギレたちはもったいないからまとめて返すね」
と、いつも生地の端っこや切り落とされた小さな部分を丁寧にまとめて返却してくれていました。さまざまな形をしたハギレで行うものづくりは生産効率が悪くなるので、あまり受けてくれる場所がありません。しかし、ハギレといえども、生地になるまでのたくさんの人の労力で成り立ったお金=資源の一部です。
コロナ禍に入り少しだけ着手する時間ができ、ようやく2021年に【Another YARN HOME】として始動することができました。まずはハギレそのものをウエスとして販売したり、共感してくれる取引先の方々とコラボレーションをしたり、ノベルティとしてミニクロスを作ったりしたのがはじまりです。
簡単に、【Another YARN HOME】の取り組みとして生まれたプロダクトたちをご紹介します。
<SMLさんとのコラボレーション>
「 頭陀袋 -ズタブクロ- 」は、ものを運ぶために用いられる布製の袋のことです。PC や iPad ケースに。ワインや日本酒などの酒瓶を運ぶとき、瓶詰めの調味料を買った時などの入れ物に。ポットやケトルの保温カバー、ブレッドバスケットに。現代の生活様式に応じた便利な袋として自由に使えるようにシンプルなデザインで仕上げました。
■オシボリ
使い捨てとして利用される紙製のおしぼりの消費量は、年間で29億枚ほどにのぼり、ビニール製の外袋とともに使い捨てされています。その代替えになればとハギレを使用し、オシボリとして利用しやすいサイズ感で作りました。お子様のミニタオルとして持ち運ぶのにもちょうと良いです。
<Claska Gallery &Shop "DO"さんでのノベルティ制作>
■ミニクロス(長方形)
オンラインショップで販売しているミニクロスのさらに半分のサイズで作りました。ちょっとしたオシボリやコースターとして使いやすいサイズ感です。
YARN HOMEとして歩みはじめた2017年の頃、D&Departmentさんの【FROM LIFE STOCK】のアイテムに湯たんぽ袋を生産させていただき、今もなお毎年継続して販売していただいております。
FROM LIFE STOCKとは
まだまだ使えるのに、在庫としてたまり続けていくものや、流行が過ぎたことで価値がないと思われてしまっている「デッド(DEAD)ストック」を倉庫から出し、「ライフ(LIFE)ストック」、つまり「生きた在庫」と呼び、その価値を活かした次のものづくりに繋げていこうとするプロジェクトが、2014年から展開している「FROM LIFESTOCK(フロム ライフストック)」です。
Another YARN HOMEとして新しい製品を作るときは、細長かったり、小さな生地を活用するので、デザインや均一性に制限が生じるのですが、生地の特性を生かすことができて、実用性があることを大切にしています。また、ハギレはどれも大きさが違うので、ハギ合わせや見え方はまばらですが、一つ一つ手作りで作っている証として、理解して大切にしてもらえたら本望です。
そしてこのたび、あたらしくUKIHAのバスマットが加わりました。
細いハギレを継ぎ合わせているので、表面、裏面とともに剥ぎ(ハギ)があります。足裏が触れる表面はUKIHAのタオルやブランケットを裁断したときに出たハギレ、裏面にはエプロンを裁断したときにでたハギレを使用しています。
毎日のお風呂上がりに安心して使っていただけるように、2枚合わせにして吸水性や耐久性が増すように仕上げています。
Anoter YARN HOMEの取り組みの形は一つではなく、循環することができて、その価値観を共有することを目的として、少しずつでも、できるだけ長く続けていけたらと思っています。