【 裏話 】UKIHAシリーズの新色「Plum(プラム)」について
2025.06.26

今回は新色Plum(プラム)の制作についての裏話を少し綴らせてください。
植物から着想を得た限定色「Maple(メープル)」と「Sage(セージ)」に続き、2025年の新色は、果実から生まれた「Plum(プラム)」です。これまでにはなかった、やわらかく淡いテラコッタカラーに仕上がっています。
ブランドの創立当初から展開している4色 Calm(カーム)、Cloud(クラウド)、Indigo(インディゴ)、Drizzle(ドリズル)、これらは移りゆく空の色からインスピレーションを受けています。一見するとネーミングから色が伝わりづらいのですが、どんなカラーリングにしたいか、まずはテーマから決めているので、その色に辿り着くまでの想いも乗せて考えています。
たとえばDrizzle(ドリズル)は、霧雨という意味なのですが、10年以上前にイギリス留学をしていたときに、雨が降ってきたので「It's raining」と言ったら 「"drizzling"だよ」と教えてくれたその時のシーンが忘れられず、色に落とし込んでいます。イギリスの町は、日常的に雨が降っていて空が薄暗かったのですが、日々の些細な変化にも気が付くきっかけになりました。その曖昧でうつくしい様を色で表現したいと思ってできた色です。
前置きが長くなりましたが、新色のPlum(プラム)についてはどうやって生まれたのか。どのような人物像を思い浮かべて作ったかというと、甘酸っぱくみずみずしいプラムと、少女のような可愛らしさを持つ大人の女性像を重ね合わせてこの色をつくりました。
Plum feels (the color of almost) というサブタイトルをつけたのですが、赤と茶の絶妙なバランス、そして太陽のオレンジを感じる鮮やかなニュアンスを大切にしながら、少女の可愛らしさと熟れた大人の魅力を表現しました。
果実には旬という限られた季節があり、その儚く美しい一瞬が、今回のカラーのインスピレーションの源になっています。過ぎ去った季節の余韻を、どこか懐かしく、心に残る「ノスタルジー」として表現するために、裏テーマとして「シネマ(映画)」を添えています。
ビジュアルは、ある休日のシーンの中にPlum(プラム)のアイテムを忍ばせて切り取っています。追想のなかにある感覚、光、匂い、なぜか懐かしく感じるあの日のことを思い浮かべて。撮影場所はYARN HOMEのショールーム"away"でしたが、ダイニングテーブルやキッチン、バスルームにベッドルームと場所を変えて、暮らしているように場面を作っていきました。どんなストーリーが生まれるのか、想像しながらとても楽しかったです。
今年も新色Plumと一緒に全国各地でPOP UP TOURを行います。その際にお配りするフライヤーは映画のチラシをイメージして作っていますので、ぜひ見かけたらお手に取ってくださいませ。皆様にお会いできるのを楽しみにしております。
Photo: Daisuke Hashihara Styring: Izumi Masabe(nur vintage apartment) Model: BASHI